私たちは、音楽で、ひととひと、ひとと土地の
“ここちよいつながり”をつくりだす。
はじめての方へ
~一般社団法人リージョナルミュージックについて~
リージョナルミュージックの音楽療法ストーリー
これは、ある福祉施設での出来事です。音楽療法士は、最近入所されたある男性と出逢いました。
男性は、脳出血による後遺症で全身が麻痺し、表情や言葉を失っていました。そのようになられる前は、音楽が好きでいろいろな曲を聞いておられました。
だれが話しかけても、表情を変えない男性。
音楽療法士は、傍らでいろいろな曲を演奏してみることにしました。
すると、「赤とんぼ」を演奏した時、男性は顔と目を赤らめ、嗚咽交じりに泣き出されたのです。それ以来、ゆったりしたテンポの曲を演奏した時にだけ、このような表情をしばしば見せられるようになりました。
何かを思い出して悲しかったかもしれないし、感動されたかもしれません。この時、音楽療法士はそのような見立てをいくつか行いました。でも涙の意味を断定はしないで、男性の傍らでいろいろなことを感じながら、音楽療法士は男性に声をかけました。「なんだか懐かしいですね」「自然と涙が出てきますね」
すると男性は、「ふふ、ふふっ」と声を出しながら、何かスッキリしたような表情になられました。
これを見たご家族は、「まだこんなに表情が出るんだ!」と言って、大変喜ばれました。
施設の介護職員さんも、「この方はまだまだ表情がつくられるんだ」ということが分かったので、以降は男性の表情に変化がなくても、沢山話しかけて、男性の表情が出るように働きかけました。
音楽療法士は、音楽的な技術と感じる心で、こころや体を活性化させ、対象者が本来持っている能力を引き出します。
リージョナルミュージックでは、音楽療法士は医療福祉専門職の一員として、病気や障害を持っている方でもその人らしく生活できるよう、ご家族や他職種と連携して支援を行う職種だと考えています。
代表者について
代表理事 金築(清水) 朋子
島根県出雲市出身
大阪教育大学芸術専攻音楽コース(声楽)卒業
多摩リハビリテーション学院音楽療法研究科卒業
第一種教員免許(中・高 音楽)
日本音楽療法学会認定音楽療法士
音楽とリハビリテーション研究会理事(2010~2014)
二期会オペラ研修所予科 修了
2009年より、首都圏の介護施設、児童発達施設にて音楽療法の臨床を行う。2014年島根にUターンし、「音楽療法研究所とーん」を起業。県内の地域づくり団体や福祉施設での音楽健康講座や音楽療法が好評となり、3名の仲間と2019年にリージョナルミュージックを立ち上げる。
ごあいさつ
一般社団法人リージョナルミュージックは、島根県東部を拠点に音楽療法や演奏活動の事業を行っている、小さな学び舎です。
リハビリテーションや心理学の考え方を土台として、生演奏の音(声や手拍子、ピアノや打楽器など)をつかって、医療福祉教育の各専門職と連携しながら、対象となる方々の心身を音楽で支えていきます。
住み慣れたこの土地で、事業にかかわるすべての方が、音楽を通して幸せでいれますよう、応援いただいている皆様への感謝を胸に、日々精進してまいります。
これまでの実績
令和元年度9月現在
(前進である、音楽療法研究所とーん の事業を含みます。)
・音楽健康講座 延べ 250 件
(雲南、出雲、松江、安来、浜田、米子、倉吉)
・音楽療法 年間 100 件以上
(障害者支援施設、介護施設、精神科デイサービス、高次脳機能障
害へのリハビリ訓練 等)
・『うんなん幸運体操』『春殖さんさん体操』音楽作成・指導
・男性の社会参加応援プロジェクト「やってみようラボ」主催
※地域づくり応援助成金採択事業
・『熱響 UNNAN+みんなでかなでるハーモニー』アドバイザー
※しまね文化ファンド採択事業
・地域高齢者への予防活動の効果調査
・日本音楽療法学会中国支部大会事例発表